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「海外留学の効果について」Is Study Abroad Really Effective?

更新日:2022年10月19日


こんにちは。英語科目を担当していますベルガー舞子です。専門は海外留学研究です。海外留学・研修は本当に英語能力を伸ばすのか?これは多くの方が気になる質問だと思います。私自身は、大学2年時に渡英し、ウェールズ大学で語学研修・ホームステイをしたのが初めての留学経験でした。その時に気がついたのは、受験勉強や大学で文法を徹底的に学習したことが、一切無駄ではなかったということでした。研修後は友人と鉄道の旅をしたのですが、B&Bを電話で予約したり、現地で値段交渉をしたりと、これまで学んだ知識を活かし、サバイバルしたことは自信につながりました。

外国語習得は、学習条件(教室学習や獲得したい言語が話される土地で学習すること、つまり留学)によって習得の速さや最終到達度にどの程度差を生むのでしょうか。海外留学を長年研究してきたPérez-Vidal (2014)の成果報告によると、まず、「研究者、教師、学習者自身、そして保護者も、海外留学や研修は語学力を伸ばす最上の方法であると考えている」ことがわかります。本書によると、海外留学・研修的な学習環境は有効だという点で、インプット量や使用場面を重視するKrashen (Input Hypothesis)、Long (Interaction Hypothesis)、Swain (Output Hypothesis)といった研究者たちの意見は一致しています。

ただし、留学に行ったことにより必ずしも言語習得が進むとは限らない分野もあります。また、どれだけの期間海外に滞在すれば効果が見られるのかについても、一般的な結論は出ていません。しかしこれまでの研究からわかることは、ある程度長期の留学であれば、留学前よりも多く話せるようになることはわかっています。私は大学4年時に交換留学で1年間サンフランシスコに滞在しましたが、それにより、流暢性 (fluency)やイントネーションは伸びたと実感しました。逆に研究結果が分かれるものとしては、文法的に正確に話せるようになるか (accuracy)や発音の習得 (pronunciation)があります。ここで言えることは、留学前の知識量がその後の習熟度の伸びに影響をするということです。つまり、留学前に文法であれ、音声学の学習・演習なりをしている学習者の方が、留学によって語学スキルを伸ばすことができるということです。

皆さんの中には、長期留学は経済的・時期的に難しいという方も多いと思います。私の博士研究は3〜7週間という短期留学の効果に関するものでした。結論としては、短期では言語スキルが向上したかどうかを測定することは正直難しいです。しかし、現地で目標言語使用者と繋がり、使用機会を多く持ったり、自分の言語使用について振り返る時間を持ったり、帰国後も現地の人や一緒に学んだ仲間と言語使用を続けることで、学習意欲も継続し、自信もつき、より高い目標や長期留学の礎とすることが可能です。

これらを踏まえて私から皆さんにお薦めするのは、まず①今いる環境を最大限に活かして知識を入れること、②留学しないにしても、留学に近い環境は作れるので、環境を整えてアウトプットの機会を作ること、そして③できれば5ヶ月以上の留学を経験すること、そして④帰国後にその言語を使い続ける環境を作ることです。留学の成果を検証するためにも、帰国後は英検やTOEICといった言語検定を受験することもお奨めします。

引用:Pérez-Vidal, C. (2014). Language Acquisition in Study Abroad and Formal Instruction Contexts. John Benjamin Publishing Company.


 

Maiko Berger Center for Language Education

Associate Professor

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