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Native Speaker English or English as a Lingua Franca? / 「ネイティブ・スピーカーの英語」それとも「リンガフランカ(共通語)としての英語」?

更新日:2021年6月29日

(日本語訳は続きます。Japanese translation follows.)


English learners at APU – like English learners all around the world – often say that they want to be able to speak English like a native speaker. I understand where this desire comes from, but I feel that it is the wrong goal to have. Not only is it almost impossible to achieve, but it is also not very useful in our globalized world. It is helpful think of two types of English: Native Speaker English and English as a Lingua Franca. Let’s look at Native Speaker English first.


There are many different varieties of Native Speaker English (Canadian, Scottish, Australian, Jamaican, etc.) and knowing one variety doesn't mean that you can communicate smoothly with all native speakers. However, let's assume that the variety of Native Speaker English you are aiming for is the kind of general American English found in the TOEFL test. Mastering this variety would be very difficult. There would be a lot of culture to learn, lots of idioms, and lots of slang. Even so, your accent would probably always sound a little different to people. You would probably need to live in the US and get really involved in the local culture to achieve the native speaker level of mastery that you want. If your dream is to live in the US and become as American as possible (perhaps because you are a spy), this is probably the best thing to do.


Most APU students don't want to give up their own identity and live undercover in the US, though. They have a much wider and more international view of the world. You are far more likely to spend your life in Japan or elsewhere in Asia than in the US. In this case, what you need is English as a Lingua Franca – the way everyone speaks English at APU. This is not a variety of English. It is more of a way of thinking about English. English may have begun as the language of its native speakers, but it has grown to be a global language – a tool that everyone can use to communicate with everybody else. I think this way of thinking is helpful because you can realize that you are not borrowing and misusing someone else's language. Instead, you are working together with other people to create meaning using a tool that belongs to the whole world.


I believe that this is a better goal to aim for: to be able to speak English like the international students and faculty at APU. Be ready to use English with anyone else who speaks the language. Don't feel bad for not sounding like a native speaker. After all, most of the people you speak English with won't be native speakers, either. When you are speaking in English, concentrate on the people you are talking with, think about how to successfully communicate with them, and don't worry so much about whether you are saying things in exactly the same way as some idealized native speaker would, unless you really are a spy of course!

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世界中の英語学習者と同様に、APUで英語を学ぶ学生たちが「ネイティブ・スピーカーのように英語を話せるようになりたい」と言うのをよく耳にします。


その気持ちはわかりますが、この目標設定は適切でないように感じます。なぜならば、それはほぼ達成不可能であると言うだけでなく、グローバル化する世界では、あまり役に立たないことだからです。このことを理解するために、「ネイティブ・スピーカーの英語」と「リンガフランカ(共通語)としての英語」という2種類の英語について考えてみると良いと思います。まずは、「ネイティブ・スピーカーの英語」について考えてみましょう。

一言に「ネイティブ・スピーカーの英語」と言っても、実際は、多様な英語が存在しています。例えば、カナダ、スコットランド、オーストラリア、ジャマイカで話されている英語は全て「ネイティブ・スピーカーの英語」とみなされていますが、それぞれ違いがあります。したがって、あなたがある地域の英語を習得したとしても、全てのネイティブ・スピーカーと流暢にコミュニケーションがとれるという訳ではないのです。


しかしここで、あなたが「ネイティブ・スピーカーの英語」として、TOEFLテストに登場するような一般的なアメリカ英語をマスターしようとしていると仮定してみて下さい。この種の英語を習得することは、恐らくとても大変でしょう。文化やイディオム、スラングなど学ぶべきことがたくさんあります。そしてそれらをなんとか身につけられたとしても、あなたが現地の人たちと全く同じように発音できるようになることは恐らくないでしょう。あなたが望む「ネイティブ・スピーカーレベル」でのアメリカ英語の習得を実現するためには、現地に住み、現地の文化にどっぷりと浸かる必要があるでしょう。もしもあなたの夢がアメリカに住み、できるだけアメリカ人のようになることであれば(そんなあなたの仕事はスパイでしょう!)、そうすることはあなたにとって最善の選択だと言えるでしょう。


しかし、ほとんどのAPU生は自分のアイデンティティーを手放し、スパイのように正体を隠してアメリカで生活したい訳ではないと思います。APU生は世界について、もっと広い視野で考えていると思います。皆さんはきっとアメリカよりも、日本国内かアジアのどこかで人生を過ごす可能性が高いと思います。この場合、皆さんに必要となるのは、「リンガフランカ(共通語)としての英語」です。そして、この共通語としての英語というのは、皆さんがAPUで普段話している英語なのです。この英語は、(ネイティブ・スピーカーの)英語の一種ではありません。それは、英語という一言語についてよりも、もっとスケールの大きなものなのです。英語は、元々はそのネイティブ・スピーカーの言語として使われ始めましたが、今では世界言語、つまり、世界の人々が互いに意思疎通を図るための手段となっています。私はこの「英語=世界言語」であるという捉え方が、皆さんが英語を使う時の助けになると考えています。なぜならばそう考えると、英語を使うときに、自分が誰かの言語を借りて使っている訳ではないし、間違って使っている訳でもない、と感じることができるようになるからです。自分は新たな価値を生み出すために、世界言語を使い、人々と協力し合っているのだと感じられるようになるでしょう。


私は、「APUの国際学生や先生のように英語を話せるようになりたい」というのがより良い英語の学習目標だと信じています。自分の周りの英語を話す人たちと意思疎通をするために英語を「使う」準備をしましょう。ネイティブ・スピーカーのように発音できないからと言って、気後れしないでください。結局のところ、あなたが英語を使ってコミュニュケーションをとるほとんどの相手は、あなたと同様に、ネイティブ・スピーカーではないのです。ですから、英語を話すときには、相手に意識を集中させて、どうやったらこの相手とうまく意思疎通を図れるかということを考えて下さい。あなたがスパイでない限り(!)、自分がネイティブ・スピーカーと同じような話し方ができているかどうかということに気をもむ必要はありません。


 

Author: APU English Lecturer Andrew MCMAHON

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